遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書とは、全相続人で遺産の分け方を話し合った結果を記載した文書です。

遺産分割協議をしても、書面を必ず作成しないといけないというわけではありませんが、相続手続に必要になってきますので、遺産分割協議書を作成する必要があります。

遺言があれば、遺産分割協議をする必要はなく、原則としてその遺言どおりに手続を進めていくため、遺産分割協議書を作成する必要もありません。

ただ、遺言があっても、遺産分割協議を行うことは可能ですので(遺言執行者がいる場合は、その意思に反しないことが必要です)、その場合は必ず遺産分割協議書を作成します。

 

遺産分割協議書の書き方と捺印手続

遺産分割協議書には特に書き方は存在しませんし、捺印が要求されているわけでもありませんが、各種相続手続に使用するため、適式な方式で作成の上、署名し、実印を押印する必要があります。

遺産分割協議書が複数枚になるときはホッチキスどめし、ページの境に、相続人全員の実印で契印(割印)を押印してください。

一番注意しないといけないことは、財産に記載もれがあることと、財産を記載していても特定方法として不十分な記載にならないことです。

財産に記載漏れがありますと、遺産分割協議書を再度作成する必要があり、財産を記載していても特定方法として不十分な場合は、その財産の相続手続に使用できない可能性があります。

記載漏れがあったとしても対応できますよう、「本協議書に記載されていない相続財産は、A及びBがそれぞれ2分の1ずつの割合で相続する」のように、可能であれば記載しておきましょう。

財産の特定方法につきましては、財産目録のページをご参照ください。

ご不明点は当事務所にお問い合わせいただければ、個別にお答えいたします。

 

※預貯金を遺産分割協議書に記載する必要性について

預貯金は、相続開始によって当然に分割され、各共同相続人がそれぞれの相続分に応じて分割された債権を取得するとされていました。たとえば、1000万円の銀行預金があったとして、亡くなられた方の相続人が妻と子供だけである場合、妻はその法定相続分2分の1にあたる500万円、子供はその法定相続分である2分の1にあたる500万円を当然に相続することになり、遺産分割協議は必要ないとされていました。

ただし、金融機関では、トラブルに巻き込まれることを避けるため、各相続人のみからの申請による相続分に応じた払い戻しを拒否するところが多く、実務上の取り扱いとの差が生じていましたため、実際は遺産分割協議書に記載していました。

そういった事情を反映し、2016年の判例変更で、預貯金は遺産分割協議の対象なるということで落ち着いています。

したがいまして、現在では、預貯金も遺産分割協議書に記載する必要があります。

少し話がそれますが、今度はこの取り扱いにおいて、入院費用、家族の生活費、葬儀費用、など相続される預金から負担したいものが、遺産分割の合意ができていないために預金が一切払い戻せず、支払えないという点が確実になりました。

そこで、2019年7月1日から、遺産分割前の預貯金債権の払戻請求ができるようになりました。相続発生後の当面の必要生活費、平均的な葬式の費用の支払いができるように、一定の金額までは、各相続人が単独で預貯金を払い戻せるようになります。

一定の金額とは、一つの金融機関ごとに法定相続分の3分の1以内、かつ150万円以内です。

例えば、ある金融機関の口座の預金が1800万円で妻と子が2人の場合は、妻は法定相続分2分の1の3分の1である300万円が150万円を超えますので150万円を、子は法定相続分4分の1の3分の1である150万円をそれぞれ単独で払い戻すことができます。

なお、それぞれが払い戻した150万円は、一部分割で取得したものとみなされます。

複数の金融機関に預貯金がある場合には,それぞれの金融機関から上限額まで払戻しを受けられます。

当事務所では、遺産分割協議内容をお聞きし、その後の遺産分割協議の具体的な実行手続を考慮に入れた遺産分割協議書を作成いたします。

まずはお問合せください。

 

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