相続の相談について

相続の相談について大切な人が亡くなってしまった。
なんとか葬儀は済ませたが、次は何から手を付ければよいかわからない。

無理のないことかと存じます。
ですが、やはり行わないといけないことはたくさんあります。

そういうときは、まずは誰かに聞いてみることが肝心です。
ずいぶん気持ちが楽になるはずです。
また、ご自身が動かれたことにより、自動的にまわりが少しずつ動き出します。

面倒だし、しばらく放っておいてもいいか、この考え方は少々危険です。

このような事例があります。

「亡くなった父親にお金を貸していたというサラ金から、いまごろになって通知が来ました。知らなかったことですし、別に無視しておいてもいいですよね。遺産もたいしたものがありませんでしたし、300万円なんて払えません。」

無視するわけにはいきません。
こういったときのために、相続放棄又は限定承認という手続があります。相続放棄又は限定承認という手続は、相続の開始を知ったときから3か月以内にしないといけません。(この期間は延ばしてもらうことができます。)

簡単に説明いたしますと、
相続放棄は、プラスの遺産(預貯金など)もマイナスの遺産(借金など)もいっさい相続しない
限定承認は、プラスの遺産の範囲内でのみ、マイナスの遺産を相続

限定承認について例をあげますと、亡くなった方が昔事業をしていたなど、ひょっとすると借金があるかもしれない場合、預貯金が1000万円あったとして、限定承認をしておけば、仮にあとで2000万円借金があったと判明したとき、1000万円だけ借金を返せばそれで済みます。借金がなければ、1000万円の預貯金はそのまま相続できます。

では、すべて限定承認をしておけばよいのでは、となりますが、限定承認は、相続人全員が共同してのみできますので、一人でも反対の方がいればできませんし、限定承認の申述が受理されれば、遺産を換金し、債務を弁済する清算手続を行う必要があり、面倒かつ費用がかかるということになります。

また、土地建物があれば、被相続人(亡くなられた方)にみなし譲渡所得税がかかります。(みなし譲渡所得は被相続人の準確定申告で申告します。準確定申告は相続の開始があったことを知った日から4か月以内にする必要があります。)

相続放棄の熟慮期間の伸長が認められない等、どうしても期限内に財産状況を明らかにすることができない場合の最終手段が限定承認であると考えるとよいと思います。

話を戻しますが、相続放棄又は限定承認という手続は、原則として、相続の開始を知ったときから3か月以内にしないといけません。

また、その間に、被相続人の銀行口座の預貯金の払い戻しをして使ってしまった場合や、相続した貴金属類などを売却した場合は、相続放棄又は限定承認をできなくなります。

このお問い合わせの場合、相続放棄又は限定承認の手続を早くにしておけばよかったということになります。

なお、借金があるということがわかった時点ですぐにご相談いただければ、たとえ相続から3か月がたっていても、相続放棄を行える可能性があります。借金があると思わなかった、あると知っていればすぐに相続放棄していたという方は、至急ご連絡ください。

このような事例もあります。

「夫が亡くなりました。私は妻でして、子供が一人います。子供は独立して遠くで暮らしておりあまり交流がありませんので、私が手続を進めようと思っておりました。ただ、相続登記は少し難しそうなので、お願いしたいと思います。」

この事例は、一見問題はなさそうです。
相続登記には期限がありません。

ですが、相続税の申告には期限があります(被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内)。

不動産の相続税評価額が予想以上に高く、実は、相続税の申告が必要でした。
そちらをまずは急いでしなくては、となりますが、お子様といままで少し疎遠だったこともあり、すぐには遺産分割協議がととのわず、最初の申告時は「未分割」とせざるを得ませんでした。
申告時に必要な手続をしておけば、小規模宅地の評価減等の税務上の特例は受けることができ、結局は税金が還付されますが、最初に余計なお金を用意する必要があり、かつ税理士さんの費用が余分にかかってしまいました。

当事務所にもっと早くにご相談いただいていれば、回避できたと思います。(なお、遺産分割協議もせず、かつ申告も無視していて期限を経過してしまいますと、小規模宅地の特例が適用できなくなってしまい、たいへんなことになります。)
※税務は提携の税理士が手続を行います。

一方、ご自身でも将来お子様が困らないように、いまからできることがあります。
認知症になったとき、一番苦しむのは配偶者様、お子様です。

まずは、配偶者様及びお子様と、いざというとき助けあえるご関係を、改めて構築していきましょう。

もう一つは、遺言、民事信託、任意後見を検討しましょう。

このような事例があります。
「私は、自分の住居付きの賃貸アパートを持っているのですが、あまり預貯金がありません。息子と娘がいますが、娘には私の面倒を見てもらっており、少し多めに財産をあげたいと思います。」

ある方は言いました。
「ちゃんとした遺言書を作成すれば解決するよ」
でも、
「息子と娘にどのような割合で分けるのか、いま遺言書で決定してしまうことは難しい」
ある方は言いました。
「では、不動産を管理していくのは大変なので、いっそのこと売って、一部を娘さんに先にあげたら」
でも、
「賃貸アパートを売ってしまうのも、今は売り時ではないように思うし、私の収入も住むところもなくなるし」
と、延び延びになっている間に、ご本人に認知症の症状が出始めてしまいました。

認知症の症状が出始めていても、程度によっては遺言書の作成が不可能というわけではありませんが、難しくなることは事実です。

また、認知症になったことにより、賃貸アパート及びその収益の管理が難しくなってしまいました。

この場合、賃貸アパートを娘に民事信託し(預け)、収益から娘に適正額の報酬を与え、売却の権限を娘に持たせた上、売り時であれば売ってその金銭を追加で信託し(預け)、ご本人が亡くなった場合は法定相続分に従って帰属させる、という手法が取れました。

もっとも、それで万事解決というわけではないかもしれませんが、対策の一つとして民事信託の利用を考えることは非常に有効です。

いかがでしたでしょうか。

当事務所では相続手続を丸ごとすべてサポートいたします。
もちろん不動産の相続登記など一部の手続のみを行うことも可能です。

まずは一度当事務所へお問い合わせくださいませ。

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