亡くなられた方の遺言書が見つかった場合、公正証書遺言及び法務局保管自筆証書遺言を除き、まずは家庭裁判所へ検認の申し立てを行う必要があります。
検認は、遺言書が有効であるか無効であるかを判断するわけではありませんが、検認を受けていなければ、不動産の名義変更手続や、預貯金の相続手続に使用できません。
遺言書を見つけた場合、封がされていれば開封してはいけません(5万円以下の過料の制裁を受ける可能性があります)が、万一、早まって開封してしまった場合でも検認申し立てを行えますので、そのまま手続を進めていきましょう。
具体的な手続の流れは、次のとおりです。
このページの目次
1.遺言の保管者、遺言を発見した相続人が、亡くなられた方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立て
※必要書類(追加で書類が必要になる場合があります)
- 検認申立書
- 遺言者の出生から死亡時までの全ての戸籍・除籍謄本等
- 相続人全員の戸籍謄本
2.申立書に不備がなければ、約1か月後に家庭裁判所から相続人全員に検認の期日が通知されます。
なお、検認日に申立人は出席しないといけませんが、相続人全員が出席しなくても検認は完了します。
検認日に申立人は遺言書と印鑑を持参します。
出席した相続人及び家庭裁判所の職員の立ち合いのもと遺言書を開封し、日付、筆跡、署名、本文を確認します。
確認後に検認調書が作成され、検認証明書の発行申請をします。
完了までの期間は、約2か月前後です。
発行してもらった検認証明書と遺言書を使って、引き続き、不動産の相続登記手続きや銀行の名義変更手続きをしていきます。
遺言書を発見された場合、通常の相続手続よりも手続は簡単になる可能性があります。
一方、検討を要する点もあります。
- 遺留分を無視した内容である場合
兄弟姉妹を除く各相続人に最低限認められる権利を遺留分(詳しくは遺留分のページをご参照ください)といい、その遺留分を侵害している内容である場合、遺留分減殺請求を行うことを検討します。 - 納得できない内容である場合
遺言があっても、遺産分割協議を行うことはできます(遺言執行者がいる場合は、その意思に反しないことが必要です)。
遺言書を発見された場合、まずは当事務所にお問い合わせをお願いいたします。